何故、この仕掛けで釣れるのか?<ウンチク編>

  ( そ の 1 )

 そもそもこの釣りで無くとも、釣りが上手い人と下手な人とでは一体何が違うのか?と考えますと、行き着くところ下記の2点が釣果を大きく分けていると考えます。

 上級者と初心者の大きな違いは、例えばルアー・フライ・毛針り釣りならば、キャストが上手い下手が見た目に大きな差ですが、それよりも魚のいる場所へ的確に餌なり仕掛けを届けることが、上手いか?下手か?と、いうことになると思うのです。 

 これは疑似餌釣りに限ったことではなく、ヘラブナ釣りであっても鮎であってもグレ釣りであっても、浮きやガン玉を使い、
いかに的確にポイントやタナへ、餌なり疑似餌なりを送り込めるか?
 そのために、ありとあらゆる種類の道具を使い分け、そして今までの経験によって魚のヒットポイントへ的確にそれを送り込む。そして、これに辿り付くまでに、長い経験と実釣と失敗が繰り返されて上級者となってゆくわけです。釣りの一番奥深い、難しいところでしょう。

 ですから初心者がどんなに釣れると評判の餌を使おうが、毛針りを使おうが、ルアーを使おうが、的確にポイントに送り込むことが出来なければ、あるいは魚がどこにいるのかを読むことが出来なければ、どんなにすばらしいものを使おうが釣果に結びつかないのですねっ。ですから同じ釣れる餌、釣れるルアーを使っても釣り上級者と初心者では釣果に差が出るのです。

 初心者が陥るのは、「先に目が行く」ということ。なんなのかといいますと、糸の先端につけるものに先に目がゆくということです。良い餌、高いルアーを使えば釣れるのではないか?と思い込みがちなのです。

 今釣れている物を使用する事も大切ですが、それ以上に大切なのがその良いものをどうやって使いこなすか?ということでして、使うことよりも使い方。それがどの釣りでも一番のキモとなることだと思います。ですから釣具の多くが、魚のいるところへいかに的確に餌なりルアーなり、仕掛けを送り込む為に、とんでもないほどの釣り具が有ると考えても良い位でしょう。竿だってリールだって、ある意味その為の一部でしょう。

 で、(その1)の結論!!

 もしも、初心者でも魚のいる所に、餌なりルーアーなり、仕掛けをきっちりと的確に送り込めたのばならどうでしょうか?タナも含め。 これは、ありとあらゆる釣りの上級者、釣り歴の長い方への問いかけでもありますが、どうでしょうか? 初心者であっても釣れる確立は、ググ〜んと上がるのではないでしょうか?

 そして、ヒラメやマゴチと、ヘラ、ヤマメ、グレ、ブラックバスその他の魚との違いを良く考えて頂きたいのです。

 ヘラ、ヤマメ、グレ、ブラックバスetcは、水温や活性、あるいは潮によって、水面に浮いたり、底にへばりついたり、回遊したりと魚のいる層や場所が大きく変化しますし、そしてこれが釣りを難しく、反面非常に面白くしているのです。

 ではヒラメやマゴチはどうか?船釣りならば回遊ヒラメもいるでしょうが、オカッパリでのヒラメやマゴチは?
 そう!!1日24時間のうち、ほとんどは水底に居るということ。よって、ヒラメの居る「水底」さえしっかり探れさえすれば、釣りとしての一番難しいところをクリアーている事になるのです。表層だの中層だのを考える必要は無く、水底さえ探れれば良し!

だけれど、水底を探れば根掛かりが・・・

 この私の釣り仕掛けは、根掛かりしにくい仕掛け構造でもって「仕掛けを一旦沈み込ませてから、疑似餌を水底から浮かす!」という仕組み!ですから、「初心者でもタナ取りが簡単!」釣りの一番難しいところがクリアーされているということになります。

 私が「フライフィッシングなら自信あるけど、この釣りだけはこれだけやっていても、初心者相手でも絶対勝てると言う自信が無い!」と、常々言っている根底にはこんなことが解っているからなのです。釣りで一番難しいテクニックというものが不要・・・

  この仕掛けでは、多少の波があろうが、風があろうが濁りがあろうが、水深が有ろうが、はたまた日本全国何処の地域の釣り場へ行っても、ヒラメのヒットポイン&タナを、投げると同時にほぼ完了なのです。ですから初心者であっても、釣果確立がアップということになります。


(その2)

 上記では初心者でも釣れる理由として、魚のいる場所へ的確に仕掛けを送り込むから釣果が上がるとしていますが、厳密には「魚が咥えるまで」と言ったほうが正確です。というのは、釣りには初心者と上級者を分ける大きな腕の差がもう一つ。

それは「合わせ」!!

 これも、どの釣りにおいても魚を釣り上げる為に重要かつ難しく、上級者と初心者を分ける、釣れる釣れないを分ける、腕の差になります。上記のように、どんなに魚のヒットポイントに、うまく餌、ルアーなりを送り込め、魚が食ったとしても「合わせ」がまずいと・・・バレる、ないしは針掛かりする前に吐き出されるということになります。

 例えば、私も長い釣り歴のフライフィッシングでは、ヤマメが水面にわずかに出て、毛ばりを咥え、0.0?秒で吐き出しますが、その瞬間に「合せる」というシビアな合わせをしなければ釣り上げられず、上級者と初心者とでは歴然と腕の差が出てきます。

 ですが、もしもこの難しい「合わせ」を不要にできたら?合わせが無くとも針が掛かりしたらどうでしょうか?釣果確立も更にアップ!!上級者、初心者の腕の差が無くなる!のではないでしょうか?

 「ダブル・フックは、1本針より針数が1本多いから掛かる確率が高くなる。だからダブル・フック!」ではないのです。針掛かりをよりアップというのであれば「じゃ、3本フックでも、4本フックでも・・・」ということもあるのですから。 この仕掛けのダブル・フック仕様は、針掛かり率と言う意味ではなく、「合わせ」を不要にする為にダブル・フック仕様なのです
 どうゆうことかと言いますと、その前に、まずヒラメの習性、口の構造を説明しないと、Wフック仕様の意味も解りません。

 ヒラメは通常の魚と違い、餌を咥えて俊敏にU−ターンしないことも多いのです。急反転、Uターンしてくれればその勢いで針掛かりすることも多いでしょうが、ヒラメは咥えてその場にとどまることや浮いたままのことも多いのです。

 よって、本来はヒラメこそ「合わせ」が必要なのかもしれません。しかも見た目には大きな口ではありません。(実際は皆さんが思うよりは大きく開きます) しかも、横にVの字に開く口。言われてみれば難解ではないでしょうか?(笑)

 そこで、私自身は当初から(このヒラメの唇に、合わせで針を引っ掛けるのは至難の業、、、)と思っていましたし、唇でのフッキングを考えることは、あえて釣りを厄介にすると、、、

 当初からヒラメが、4インチ(10cm)程のワームならば、30cm前後のヒラメでも一気に丸飲みして口に中に収まってしまう事実は解っていました。そして明らかに口に入りきらない疑似餌サイズにも、果敢にアタック来してることも。

 また、ヒラメについては初めての方は御存知無いでしょうが、ヒラメのアゴの力(口を閉じる力というか、魚をかじるアゴ力と言いますか)は、かなり強烈なのです。一旦閉じた口を開けようとするならば、かなりの力が必要です。マゴチもそうです。
そして、そこにひらめいたのです。(このアゴの閉じる力で、咥えたと同時に自動的に針掛かりさせれば??)と。

 咥えたと同時にその口の閉じる力で自動的にフッキング!!そのためにシングルフックでは合わせが必要、トリプルでは丸呑みされるとかえってすっぽ抜けの原因になる、、、
 Wフックならば、ヒラメの強烈なアゴ力で口を閉じれば自動的に針掛かり! = 「会わせ」不要!  = 初心者にはこれがベスト!!

 また、ヒラメマゴチをワームという弾力のある柔軟な疑似餌で狙った場合には、合わせを入れるにしても、咥えてから3秒以内なら充分間に合い、吐き出さないというのが私の経験上の感覚でして、ピクピクッっとアタリがあったら (ん?来たか?) で、いたん竿を上へ持ち上げ(きき合わせ)、重さを感じたら「合わせ」を入れるという、ゆっくりした「合わせ」で充分間に合いまして、そう慌てる必要は無いのです。

 さて、魚が掛かってからのやり取りでも腕の差が・・・ と、言われる方もいるでしょうが、この釣りでは磯のような根ズレの激しい場所での釣りがメインになりません。初心者が、かなりの強引な巻上げをしても切れないライン強度(10kg以上)を推奨していますので、ヒラメとのやり取りも、さして難しいものでは無いと考えています。ですが、ヒラメが釣れているのが目視できるとぉ〜やり取りにはかなり緊張します。(笑)

 総まとめとして、初心者であってもヒラメのいる場所に的確に仕掛けを送り込み、タナを取り、「合わせ」を不要にし、更にはおいしそうな疑似餌の動きを演出!更に更に!エコギアのワームは、魚の好む「匂い付き」。これでいかがでしょうか?(笑)

 ならば、釣りの難しいテクニックと言われるものの80%以上を解決したも同然でしょう。あとは
投げて探って、面積を潰してゆくだけ。釣り方自体は難解なものではないと思いますが、いかがでしょ?

 あとは、どんな海の状況、地形、潮ならばよりヒラメに好条件か?は、こればかりは経験を重ねるしかありませんが、これも深く考える必要は有りません。何故なら、ヒラメやマゴチにバッチリの海の条件を勉強しても、その日に自在に自分の休日を取れますか?(笑)
 
 与えられた休日の、その日の海の情況下で釣行するしかないのです。海の情況は一年を通して圧倒的に悪い時(強風、濁り、波高条件)のほうが多く、また悪いからといってヒラメは釣れなくも無く、ヒラメの大物は荒れ気味の方がイイというのも定説なのです。

 ならば! 釣れる時を勉強するより、釣りにくい悪条件下(濁り、強風、波高)、低活性時、難しい場所(根掛かりポイント&水深の有る場所)を、どう攻略するか?を考えたほうが、休日を有効に使えると思うのです。
 
 ヒラメを釣るにあたっては、DSやMJキャロが全てなどとは、勿論言いませんし言えません!ただ、皆さんの腕や道具の範疇で、悪条件下の休日にヒラメが釣れそうなモノ
確実にヒラメのいる水底を、キッチリギリギリに、ヒラメに美味しそうに探れそうなモノ)は???
 
 最後になりますが、ヒラメが高級魚であるということは = アジやサバほどワンサカとは釣れない = 群れていない ということですねっ? 魚屋さんでも、スーパーでも、めったに売っていない。売っていたとしても高くて買えない (笑) 
 ヒラメを狙うことは数釣りはできなくとも、たった一匹でも充分満足でき、釣り人は勿論、釣りをやらない人からも(家族からも)かなりの賞賛、食べて納得、価値のある魚なのです。

 ン百年前から、「鯛やヒラメの舞踊り!!」と言われるように(笑)