環境も資源も守りながら、ず〜っと釣りを続けてゆきたいですねっ!


「海の里親」制度をご存知ですか

 <「海の里親」制度に、ご賛同、ご協力頂きました皆様へ>
 2006年よりこの地域のヒラメの放流量が、増量されることになりました。協会にも私達のわずかな声ですが届いていることと思います。
 今後のヒラメ釣りが非常に楽しみになりました。ご協力、誠に有難うございました。 m(_ _)m


 私がこちらへ引っ越してくる前(2002 11月以前)は、平日はフライフィッシングで、休日は海へ。川では奥飛騨渓流クラブという釣り好きの集まりに所属していました。釣り方は餌、ルアー、フライ、テンカラ等、人種は色々おり、年齢も20歳から70歳以上と多彩でしたが、ぞれぞれの釣りに、それぞれの釣り味、楽しさがあるわけですから、それを互いに理解した上での集まりということになります。皆で川を守っていこうという考えでしたし、カジカの放流に協力したり、漁協とも色々やっていました。 

 今から10年以上も前になりますが、私もフライフィッシングにも夢中な頃、フライフッシングが大変なブームになり、それにともなって私の故郷である奥飛騨の高原川もビデオになったり、釣り雑誌には必ずといっていほど出ていまして(今も)、解禁ともなるとフライフィッシャー以外にも、それはそれは大変な釣り人の数で、ポイントには全て釣り人がいるという状態で、更には夕マズ目を迎えるまで、何時間も川のそばでポイントに座って、じ〜っと待っている人がた〜くさん!しかも、猛吹雪の中(笑)

 まぁそれぐらいにしないと、釣り人が多くて釣り場さえ確保できなかったということです。5m間隔で人、人、人・・・地元の釣り人は、ブーイング(笑)多分、今のヒラメ釣りもそのような感じになりつつあるのでしょうか?ですからブームというものが、どれほどの影響力(魚にも、環境にも)があるのかは体験済みです。

 私は魚を食べることを否定しませんし、私はフライマンであっても年に何匹かは食べました。釣りも文化なら、食も文化ですし、食べてみることによって魚の変化も、魚の価値も解ってくることもあります。ですから、余程小さいものは除いて、「絶対に全てをキャッチ&リリース!」ということで無く、「食べる分だけ持ち帰りましょうよ。釣った分ぐらいは協力しましょうよ」というスタンスでした。

 が、一日に何百釣ったとかを数釣りを自慢する釣り人、釣れるだけ釣り、持ち帰らなきゃ損!、あるいは前日の晩にイクラで撒き餌、餌付けをしておいて、翌日根こそぎ釣っていくという、いかにも貧しい考え方の方がわずかにいるだけで、放流活動無くして釣りが成立たないのです。稚魚も放流し、川に大きくしてもらって楽しませてもらう、大きくなってもらうには川も自然も大切に!という私の考えは、今始まった事では無く、このヒラメ釣り以前からものものです。

 例えば今、アオリイカは懸命に小さいもののキャッチ&リリースを謳ってはいますが、現状はアオリイカの釣り禁止の港が増え、アオリの数も減るばかり。何故か?それは簡単!釣る事もさることながら、食べて旨いからです。怖いのはアオリの場合は、栽培・放流ということが出来ない為、まったく釣れなくなるような事態も起きるのではないかと危惧します。

 ヒラメも旨いですから、アオリと同じ可能性も否定できません。ですから、キャッチ&リリースや資源保護・環境保護の提唱も大切なことではあります。が、上っ面だけで提唱するとやけどを負います。何故ならキャッチ&リリースに非常に厳しいニュージーランドなどでは、小さいものは持ち帰ってもいいが、繁殖能力のある大きなものはリリースと言うのが、数を絶やさない為の方策となっていますし、それによって維持されて成功しています。アメリカのブラックバスにおいても同じようなものです。

 で、ゲームフィッシングを目的に、これをヒラメやアオリイカにあてはめると・・・ヒラメ40cm以上、アオリイカの、1kg以上サイズは逃がさなくてはいけなくなります。渓流釣りで何故、秋に禁漁なのか?産卵を迎えるからです。産卵可能なものを釣らないようにです。これもオカッパリのヒラメ釣りにあてはめると、産卵の為に接岸してきたヒラメを釣ってはダメ!産卵期以外でも40cm以上のヒラメも釣って持ち帰ってはダメ!で、ヒラメ釣りの魅力として成立します?(笑)

そもそもキャッチ&リリースという言葉に、サイズ制限はないのです。すべてリリースするのが、キャッチ&リリースであり、ゲームフィッシング。

 極論になれば、「そんなに魚が大切で守りたいなら、釣らなきゃいいじゃん!ゲームフッシング?釣っていじめなきゃいいじゃん!!」とも、言えなくも無い。釣り人以外から見れば、「買って食べれば?漁師さんも魚屋さんも、潤うしぃ〜」か?(笑)

ならば釣り人側の、現実的な路線でどうするか?

 たまたまヒラメの場合は栽培が全国どこでも(山の中でも)容易で、、稚魚放流によって飛躍的に数が増えたという千葉や茨城の事例があるわけですから、それを見習っていくのが最もいい方向で、やはり「食べる分だけ持ち帰りましょう。釣った分ぐらいは協力しましょうよ」というのが、現実的だと思います。

 現在、釣り船でのヒラメ釣りをされている方は、乗船と同時に協力金を支払っているわけですが、オカッパリではどうか?ただただ、タダで釣らせてもらっているという現状。キャッチ&リリースの提唱も大切ですが、それだけでは私の故郷の川、アオリイカの現状と、同じになってしまうと思うのです。極々一部の不心得な釣り人に、どんなに理想を提唱してもブームとなれば追いつかないですし、それは海のゴミ問題と同じで「ゴミを捨てないように!」と提唱するのも大事でしょうが、少しづつでも拾うことを実行していった方がもっと現実的でしょうということです。

 で、幸いにして神奈川県には、財)神奈川県栽培漁業協会「海の里親」制度というものがありまして、個人からの稚魚放流の協力金を募っています。ヒラメだけでなく、鯛やカサゴやメバルも放流されているのです。カサゴ・メバルが稚魚放流されているということを、知らない人も多いのでは?

 で、私としては本命のヒラメの放流が増えれば、それは嬉しいですがヒラメに限らず何でも良いと思っています。また、ここで放流したものが、どこで誰に釣れようが構わないと思います。現に、この地域で釣れるパンダヒラメ(稚魚放流されたもの)の比率は、100匹のうち1匹?という比率でしょう。この地域では非常に放流物の釣れることが少ない。(いったい、何処へ?(笑))

 協力金は¥3000からなのですが、渓流釣りの半年間で¥5000以上の遊魚料、あるいは管理釣り場のたった1日で¥4000に比べれば、非常に安いもの。

 「稚魚も放流し、海に育ててもらって、大きなものを釣らせてもらう、その為には海もキレイに、大切に!」という考え方に一人でも多くの方に賛同頂き、この地域だけでなく他の地域でも、こんな動きが出てくればなぁ〜と思います。そして気持ち良く釣って、気持ち良く食べたいですね〜

 全国の栽培漁業協会が、個人からの協賛金も受け付けるようになってくれればと、思うのです。数が減ってきたから、漁協なりが釣り人から徴収するという順番ではなくて、釣り人から進んでその方向に行ったほうが、魚を取ることを業とする漁師さんとも上手くいくのではないかと思います。釣れたヒラメを見て「これは放流に協力したものが、子供を生んで釣れたのかもしれないなぁ・・・」と想像するだけでも気分が晴々すると思いますね〜。ヒラメの場合、稚魚は一匹¥80位らしく、¥3000なら40匹弱放流することができます。

 押し付けがましくしたくはありませんし、まったく釣れてもいないのに、そんな発想にもなれないでしょう。釣って楽しんでから、少しだけ考えていただければなぁ〜と思います。人によっては諸事情もありますから、どうでしょう、ある程度釣って楽しめ、例えば「ボーリング10ゲームやるより楽しめたぞ〜¥3000に匹敵する分だけは、楽しめたぞ〜!美味しかったぞ〜!」と思えた時に、こんなこともお考え頂ければなぁ〜と思います。

 財)神奈川県栽培漁業協会  に入会しますと、「海の里親」プラスチックの会員証と粗品(魚の刻印の入ったネクタイ・ピン)が届きます。また会報も数ヶ月に一回郵送されてきます。¥3000の賛助で、稚魚放流に協力でき、プラスチック・カードの会員証で、ネクタイ・ピン+会報(情報)まで頂けるなら、渓流釣りの遊魚券の荷札一枚と比べれば、随分良心的だと良いと思いますぅ〜〜(爆)
 入会申込書には、要望欄がありますので、別にヒラメで無くとも、シーバスをやっておられる方は「シーバスも放流して欲しい」あるいは「メバルも、もっと放流して欲しい」等を記載されれば、そういった対象魚の釣り人も多いのだなぁ〜ということで、協会の検討材料にもなってくると思います。

 釣り人の意識が一人づつ、小さな事からでも変わってくれば、釣りの将来もわずかづつであっても明るくなるかと思います。